男一匹ガキ大将
作者:本宮ひろ志 掲載:週刊少年ジャンプ 1968年11号
第1話 32P 詳細はコチラ
世界観の提示 ★★
ちょっと古臭い番長が出てくるが、それをみんなが受け入れてくれる世界。
主人公キャラの紹介 ★★★★
大阪弁をしゃべり、ケンカッ早いのが伝わる。大阪弁というだけで、かなりキャラが立っている。
初登場(1P 2コマ目)
目標設定 ★
はっきりとした目標は示されない。
サプライズ ★★
ケンカッ早いが、圧倒的に強いわけではなくあっさりとケンカに負けてしまう。
一見、硬派だが女子にもかなり優しい部分が今までの番長キャラとは違う。
オリジナリティ ★★★
上手な絵とは言えないが、妙な迫力があり、効果線を存分に使った絵。
総評 ★★★
ハレンチ学園
作者:永井豪 掲載:週刊少年ジャンプ 1968年11号
第1話 14P 詳細はコチラ
世界観の提示 ★★★
基本的には尊敬の念を抱かれる存在だった学校の先生たちを、はっきり敵と認定している設定は刺激的。
主人公キャラの紹介 ★★★
大人をまったく信用していない反抗的なキャラだと、初登場のセリフでわかる。
初登場(1P 2コマ目)
目標設定 ★★
腹の立つ大人代表の変な先生たちと、反抗的な生徒の対立で進んでいくのはわかる。
サプライズ ★★★
優しい先生だと思っていたが、とんでもない大人たちだったことが判明する。
オリジナリティ ★★★
異常ともいえる大人(先生)達に対する不信感をバリバリ感じる。先生とは思えない格好とキャラが素晴らしい。
総評 ★★★
父の魂
作者:貝塚ひろし 掲載:週刊少年ジャンプ 1968年1号
第1話 50P 詳細はコチラ
世界観の提示 ★
厳しいプロ野球の世界と木製バットの製造工場の経営の厳しさは出ているが、バット製造工場に少年たちは魅力を見いだせない。
主人公キャラの紹介 ★★
そもそも主人公はまだ赤ちゃんではあるのだが、母親の死よりも野球のボールを選択するという野球キチガイという側面は描かれている。
初登場(21P 6コマ目)
目標設定 ★
野球を描くのか、バット職人の世界を描くのかもわからない状態なので、目標共感は難しい。
サプライズ ★★★★
巨人の中で、浪原の唯一の理解者と思われていた川上哲治が、体を治して完璧なプレーをするのがプロの使命だと叱責する場面。
そして、病気だった浪原の死はともかく、突然の母親の死は衝撃。
オリジナリティ ★★
『巨人の星』との違いを見せるために、バット製造工場を出してきたが・・・。
総評 ★★
1話を研究してみる
少年ジャンプに限らず、連載漫画の第1話というのはかなり重要であり、作者も編集者もかなり気合の入ったモノになっているはずだ。それに他の連載候補作品を勝ち抜いたモノでもあるわけで、内容的にも面白いものに間違いないはず。
しかしながら、それらの作品のほとんどは人気があまり出ないまま短期に終わってしまい、大ヒットする漫画はほんの一握りである。大ヒット漫画とそうでない漫画の違いは何なのだろうか?もちろんそこには誰が見ても歴然とした差があるのだが、第1話を見ただけでも何か差があるかもしれない。
そこで、連載漫画の第1話を改めて細かく見ていったら、何かヒットの法則みたいなものが見えてくるのではないかと思いたち始めてみました。まあ、そんな法則があるなら、当然プロの方々がすでに発見してしるだろうから、ないことはわかっている。でもまあ、楽しそうだからやってみます。
自分なりにたくさん漫画を読んできた経験によって、1話の中で必要で重要な要素は以下の4つになるのではないかと思う。
- ホープ
その漫画の世界観を理解させるための説明でもありつつ、その世界が広くて(大きな謎や強大な敵)、これからの展開に期待が持てるかどうか。 - キャラ
主人公のキャラが、何が好きで何が嫌いか、行動原理が何であるかなど、キャラが動く理由を説明しつつ、魅力的な人間であると思わせるかどうか。 - サプライズ
読者の予想を裏切る展開、キャラ、セリフなど、読者を「!」と思わせることができるかどうか。 - アート
上手な絵、個性的な絵など、漫画の肝でもある絵の部分において魅力的な何かがあるかどうか。
この4つのポイントを中心に、☆はプラス、★はマイナスでポイントをつけて、第1話を研究していきたいと思います。
なお、1話が雑誌掲載時とコミック時で違う場合は、コミックの1話を研究しています。